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コインランドリー

ありふれたような、日常の流れです。

充血

毎日働いてる。何食わぬ顔で。ご飯を食べてる。何食わぬ顔で。
東京の外れにあるセブンイレブンの店員。働き始めて数ヶ月。一年の引きこもりニート生活を経て社会復帰へ。接客にムラがある。気分がいいときは満面の笑みで丁寧に。だいたいは、何か不満を抱えているが行動に起こすことすら怠惰だと言わんばかりの顔で働いている。誰しもが淡々とこなせてしまう仕事だ。私の代わりはいくらでもいる。私がここら消失してしまっても、明日にはまた別の人間がそつなく業務をこなす。仕事が終わって、眠りについて、また明日も何食わぬ顔で出勤する。
稼いだお金で服を買う。メシを食う。娯楽に使う。働いては消費して、一過性のものに金を費やして働き続ける。だんだんお金という物の価値が分からなくなっていく。いつの間にか、いろんな物事の右と左が分からなくなってくる。

今ここには何もない。本当は何もないのに、さもそれが存在するかのような顔で地に足つけて歩いている。歩き方を知らないから、すぐ転けるし、膝は擦りむけて血が滲んでる。気づけばいつの間に、自然治癒能力に救われて、また歩き始めている。此処には何もないけど、歩き続けることに意味があると、取って付けたような台詞を背負って今日も歩く。歩き方を知らない私は傷だらけだ。歩き方を、わたしは、私は、知らないからね。