コインランドリー

ありふれたような、日常の流れです。

幸せを大切に持ち歩いて

最近はずっと天気が悪いね。雨ばかりで、晴天の空を忘れてしまいそうだよ。ここのところは毎日せわしなく働いている。休日の心地よさや時間の流れも忘れてせっせと身を粉にして、働き眠って生活しているかな。とても健康的だよ。

 

君の生活はどうですか。わたしは最近ね、大好きだった恋人と復縁しました。酔った勢いと嘘をついて恥ずかしさをひた隠しにしながら、すべてを打ち明けた。久しぶりに聞く恋人の声はあの時となにも変わらなくて、早くこの人の手を握りたい匂いを嗅ぎたいとばかりに、気持ちがぐっと引き寄せられました。

彼は「未だによくわからない。どうしてうまくいかなかったのか。上手くできたらよかったと思っている。後悔している」という言葉を紡いで、その勢いに任せてわたしは自分の思いをすべてぶちまけた。淀み出るように溢れる気持ちと涙はとめどなく、言葉はうまく出てこなくて。「それでも、私はあなたが好きで仕方がない」と気持ちを伝えた。破かれた手紙も、捨てられた指輪も。時間は事実として其処に残り、もう二度と戻ることはないものはあるけれど、再び始まる物語が確実に存在している。

お互いにいろんなことが作用して、行き違いが起きていたことを、ゆっくりと話し合いながら、少しずつ空いた溝を埋めるように近づいていく距離がそこにはあって。電話口で酔っぱらった彼は何一つも変わらない。大好きだったあの人は変わらず東京にいる。

彼はとても元気そうで。いまの仕事をやめて転職に熱をだしていた。

「ねえ、ほんとうに言ってるの」と不安げな彼のメールが二日間おきに送信されてくる。私は嘘つく余裕もどこにもなくて「いまでもあなたを愛している」旨を言葉足らずに伝える。少しずつ彼のやり方で、言葉が紡がれていく。「あの、できたら、また一緒に暮らしたいです。幸せでした」と彼は言った。

一緒に暮らした東京での日々は本当に煌びやかで、何もかもが美しかった。どこで足を踏み外しあたかも目で追うのさえ億劫に思うほどに幸せな日々で。「ほんとうに楽しい日々だったね」と彼を思い出話を語りながら「また一緒にお散歩しようね」と約束をした。カメラを片手に。

 

 

再び彼との生活が始まる。今はお互いに仕事も忙しく、まだ一緒に暮らすことは出来ないけれど、なるべく時間を取れるようにして、多くの時再びを彼と共有したい。隙間を丁寧に埋めていくように、変わらぬ時間がまたそこに続いていくように再び始まればいい。あの穏やかな時間が。

同じ過ちを繰り返さないように。

 

お母さんにもきちんと相談をして、家を出ていくことを決めた。勢いで家を飛び出すのではなくきちんと計画を立てて。ある程度貯蓄を貯めて、来年の引っ越しの為にもお金を貯めなければならない。

向こうで仕事の当てを探してから、此処を再び出ていく。

楽しいとか、幸せとか、寂しいとか、好きとか、ただそれだけの感情で突き動かすものじゃなくて。きちんと未来のことも視野に入れてマイナスも許容できる心を持ちながらのんびり二人で歩いていきたい。