コインランドリー

ありふれたような、日常の流れです。

人はでかい石で殴ると死ぬ

f:id:kuchikosan:20170426223613j:image

 

私は不機嫌なのに、洗濯機の調子はいいので、それだけで少し気持ちが楽になるな〜と自分の中で言い聞かせながら生きてる。

 

入社当初は優しかった専属の上司も、いつの間にか彼女のイライラの捌け口になってしまった。いつから、変わってしまったのだろう。仕事があんまり出来ないけど、一生懸命にやってるつもりなんだ。でも、仕事というものは結果を出さなくちゃいけないでしょう。だから日々、上司の不条理な怒りだって「質の悪い肥料だ」って思ってた。でも今日だけはどうしても我慢ができなくて仕事中に涙が出そうだった。叫び出しそうになるって描写を何度も本で読んだことあるけど、全然気持ちなんてわからなかった。今日だけはその叫び出したくなる感情が出て来そうになった。

でも、どこかで私の慈悲が突き動かされて、この人もこんなにイライラしたくて生きてるんだろうなって思ったら悲しくなったりもする。だって、人は無闇矢鱈に怒ったり、イライラするのはすごく疲れちゃうはずなのに上司はずっと怒ってる。何かに怒りをぶつけているというより、ホルモンバランスが崩れて手当たり次第当り散らしてる感じがしてるんだ。

でも、私も人間だから、さっき言ったように、本当に我慢ができなかった。彼女のため息も舌打ちも、「意味がわからないんですけど」って辛辣な罵りも、積み重ねて行くうちに怒りと悲しみとやるせなさに襲われた。

いくら質の悪い肥料を肥やしにしても、それは仕事上での話だ。彼女(上司)の尺度で振りかざされる怒りの矛先として毎日仕事をしているのは、流石に息も続かなくなる。  

 

f:id:kuchikosan:20170426223631j:image

 

うまく息ができないよ〜って、心が叫んでる気がする。息ができないっていうか、うまく息継ぎができないこと。正しくはね!

どこにこの気持ちをぶつけていいのか分からない。ご飯を食べても、お酒を飲んでも、現実はちっとも変わらない。現実を変えることができるのは自分自身しかいないんですよねって言われてるみたいで余計に悲しくなっちゃうんだよ。

だから、ご飯もお酒も人も必要としないぞって強く生きようとしてもそんなのは無理。美味しいものは食べたいし、たばこは吸いたくて、人に甘えたいんだよ。それは、だって普段からいろんなことを押し殺して生きてるからどこかで解き放たないと壊れちゃうのかなって考えたりする。

 

仕事のことで悩んだり考えたりするのは辛い。逃げられないから。もしも、家族や友人や恋人や、その類の人々のことで悩んでいるとする。それらは言うならば対価を得て築かれた関係ではないからいつでも捨てられるし逃げることができる。近すぎたら、少しだけ距離を置くこともできる。

仕事はそうはいかない。逃げても逃げても追いかけてくる。自分の心臓を動かすために、向き合ってぶつかっていかなくてはいけない。

ある漫画で言ってた、仕事で支払われる対価は「嫌なこと」に対して払われるって。すごいグッときたね。楽しいことじゃなくて、嫌なことで支払われるお金なんだ給料ってもしかすると。そう考えるのは悲しいことでもなくて、お金をもらえるのはやっぱり嬉しいので少しだけ「負けない」って気持ちが帰ってくるんだよね。

 

あー難しいな。それでも何食わぬ顔で明日も仕事に行って。苦虫噛み潰しながら「すみません」ってちっちゃな声で謝るんだ。上司の圧力が怖すぎて謝罪の言葉さえ縮こまってきてしまうくらいに。お局様って彼女みたいなこと言うんだろうな〜

 

でも彼女は言ってた。35を越えるとね、なんかもうプライベートのことで悩まなくなるのよ。彼氏とか家族とか友人関係とかその類のことで一喜一憂しなくなる。いろんな物事をいいみでも悪い意味でも諦めてるから、ある意味楽だよ。だから、いまも精神状態で若い頃に戻れたらきっと物事もう少し見つめ直して人生を遅れると思うし、また別の楽しさがあるんだよね。いろんな物事を諦めて生きるって楽よ。ってしたれ顔で言ってた。

 

彼女にはきっと、不安とか恐怖とか、そんな感情も年の功で忘れ去られてしまったのかな。その代わりに身につけてしまったもの、身につけたものは他人に対する攻撃性だったのかもしれないと考える。もう何も我慢することなく、自分の怒りを相手にぶつけることができる才能を持ってしまったのかもしれない。

私はどんな大人になるのだろう。いろんな物事を諦めることができて、怯えずに生きていけたとしても、振りかざす矛先は怒りであってほしくない。他人を悲しませてまで自分が楽になりたいとは思わないけどね。

 

f:id:kuchikosan:20170426223652j:image

 

彼女はどうしてあんなに、いつもカリカリしてるんだろう。