コインランドリー

ありふれたような、日常の流れです。

 

 

ああ、昔は帰りたくないってずっと泣いてたよね。わがまま言って無理やりホテルに連れ出してセックスしたり、そんなことばっかりしてた。どこにいても気持ちは空虚で、誰とセックスしても悲しかったよ。

仕事もしてない、男もいない、家族も嫌い、守るものは何もなくて、ただ途方に暮れて生きてるだけだった。人は何か自分の中に守るものがないと死んでしまうんだ。それは、何かがきっかけになってどん底まで落ちるんじゃないよ。失うものが何もないから、落ちるとこまで落ちて、登り方を忘れちゃうだけなんだ。

 

人は何もなくなって悲しくなるし、さみしくなるし、苦しくなるよ。それは誰が悪いわけでも、あなたが悪いわけでもない。

 

 

家に帰りたくて仕方がなかった。美味しいご飯も大好きな彼もそこに待ってるはずだったのに、月曜日という日に心が嬲られてしまって、明日も変わらずに前向いて生きなきゃいけないと思うと甘えられなかった。

ああ、私は社会人なんだなって実感した。美味しいご飯や愛よりも、明日の自分のモチベーションを取った。それでも仕事があるから、張り切って前に進まなくちゃいけない。「会いたい」と言葉は漏れたけどそれでも「我慢する」って張り切ったんだ。えらいぞわたしって自分のことを褒めてあげたんだよ。かわいいぞ!私!って具合に。

 

誰も羨まないし、誰も私を見ていない。どんなにかわいい下着をつけても、前髪を伸ばしても、化粧を変えても、痩せても、だれも気付いては暮れないし本当にの意味で誰も私のことを見てないと感じる。それでも日々頑張ってる私は、私がかわいいと思うの。誰に、馬鹿にされても裏切られても罵られてもここに立って生きてる限り、進み続けてる限り私はかわいい。

 

みんな頑張ってるし、みんなかわいい。生きてるそれだけで、生きるためにお金を稼いで自分の食い扶持を繋いでるだけでかわいい。

毎日ご飯を食べてお風呂に入って服を着て外に出て誰かと喋って、それだけで最高なのに。世の中にはくそったれな奴も、ゴミも死ねばいいって思う奴も腐るほどいるけど。それでも生きてるんだよみんな。

舐められたり、蔑まれたり、馬鹿にされたり、利用されたり、そんなこともたくさんあるけど、それでもぶん殴って張り切って生きていくしかないんだから。

 

腹立つことも、殺してえことも、殴りてえこともたくさんあるんだから。

それでも最後に、自分の城でお香をたいて、いい匂いに包まらながら暖かい布団に包まれて眠れたらそれで幸せなんだ。刺したら明日がきて、仕事になってまた働かことの繰り返し。休みの日には本を読んで音楽を聴いて、散歩をしながら知らない街を体感する。

 

あーアンフェアの雪平かっこいいな。元彼はこういう女が好きで、私はずっとこんな女になりたかった。