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コインランドリー

ありふれたような、日常の流れです。

デパス200錠

みんな輝かしい日々を送っているし、それを求めて死に物狂いで何食わぬ顔で生きている。私はそれを横目に、6畳半のガンプラとサブカル入門書漫画が並べられたワンルームうつ病をを患った男の子と毎日キスをしながら暮らしてる。日々はオシャレに彩られない。

 

この部屋にはオシャレなものは一つもない。あるのは漫画と大きなテレビ、ゲーム機とガンプラばかり。

無造作にかけられた何一つ魅力のない服たち。カレンダーには日付が過ぎると黒いマーカーで〆が付けられる。惰性でキスをして、何かを埋め合うように、愛のない私たちの物語は紡がれていく。誰かはそれ横目に輝かしい日々を送っていることでしょう。

SNSには女の子がうらやむ煌びやかな世界が写真よって彩られて。美味しそうでオシャレなご飯に、素敵なお洋服と、着飾られたつくられた物語のようなお部屋。優しい恋人がいて、彼らは一喜一憂しながらも日々をたくましく生き続ける。

 

何もかもを放棄して、職を失い、公園で一人腕を切りながらアンビエントなミュージックに現を抜かす。文字や文章で綺麗に着飾られた現実は知らぬ間に人の心を蝕む。

インターネットで注文したデパス200錠は私の心を救ってくれるだろうか?200円で購入した滑り止めのない剃刀は私の心を癒してくれるだろうか?

 

日々どこかで空虚さを抱き、いわしれぬ感情に見舞われながらこうして言葉と写真で彼女たちのように日々を彩ることで、まるで空想の世界のしょうもない安心に浸るみたくして。

映画や小説の中での、不安や虚無や空虚は、それらが空想であるからこそ彩られ、現実の悲しみに一雫の安心を注いでくれる。「ああ、私の生きている世界も、そうして物語に置き換えてしまえば、にごった美しさを取り戻すかもしれない」と心を踊らされて。

だって女の子はいつだってみんな、夢を見ていて美しい世界で生きてるんでしょう?だからみんな必死にソーシャルネットワークという世界の中で日々の淀んだ世界にオブラートをかけて、心を癒しているんでしょう。

 

 

 

誰かの悲しみや悲哀は、何処ぞの知らぬ誰かにとっては美しく輝かしい尊い世界へと生まれ変わる。

 

 

いつだってそうやって、サブカルチャーという表現の自由が無限大に溢れた世界に逃げ込んで、自分の世界や心の蟠りを美化して生きているんでしょう。安心が欲しい。冴えなくて、生きていることが本当に苦しくて、今にも息を止めてしまいたい時さえ、何かに臆病に夏まで怯えてしまっているときでさえ、それでも生き永らえようとする生命の本能を打ち砕くために。

心という本質に甘い蜜をかけるために、何かにすがるようにしょうもない世界に心が惹かれてばかりで。

 

安心ばかりが目に見えて、その先の本質なんてきっと、何も捉えていないんだ。

 

 

食べては、吐いて捨てての繰り返し。それでも私は必死に生きていると言えるであろうか?自分より下の人間など、この世に存在するのであろうか?

 

私はいつだって誰かにずっと見ていて欲しいよ。見放さないで欲しいのに。

あなた方が羨む世界に飛び込んで、ゆっくり呼吸をしたい。そして、本当に何かを失い、得る安心が欲しいだけなのに。怠惰に息をする私は未だに幸福を手に入れることはできない。

 

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