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コインランドリー

ありふれたような、日常の流れです。

深淵の淵をなぞる

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痛みは悲しくて苦しい。
いろんな物事に目を背けて、自分を守り続けてきた。頭の中での私は天才で奇才に溢れた人間だ。それらは世に流れることなく自己の世界に浸って陶酔する。安心感という自己満足に包み込まれ、大切な感情さえ緩い世界に溶けて衰退する。他人と自分を比較し、相手の粗探しをしては自分という不安材料から目を背けようとしている。その結果、何一つとして消化されずに諸悪の根源として、未来に大きく立ちはだかる。
認められたい肯定されたいという気持ちの強さや、取り払われることのない他者が抱く評価に恐怖や怯えを抱えて、否定と肯定を繰り返す。狭い世界の中で息をして、視野に映るものだけを追って、安心ばかり寄せ集めて、手を伸ばせば届くものだけで賄われた継ぎ接ぎだらけの世界では何の解決にも繋がらないんだ。いつまでも満たされることなく、代用品の満足感を使い捨てることによって空虚な気持ちが増していく。
いつしかサイクルが定着し、意識がどんどん飲み込まれていってしまう。右も左も分からなくなり「これでいいんだ」落とし所をつけて納得し、深淵に身を投げて二度と戻ってくることは出来ない。

深淵の淵をなぞるように歩いている。今にも躓いて闇の底に落ちてしまいそうに覚束ない足取りで。少しでも気を抜けば体は簡単に深き溝に傾く。
「明日は我が身」常に不安とは二人三脚だ。互いの呼吸のリズムを合わせて丁寧に歩いてしまわないと、足がもつれて躓いてしまう。何度も其処に身を投げてしまおうと思ってしまうよ。故意に負のアクションを引き起こして二度と戻れない場所まで行ってしまおうと。
気付けば、深淵から遠く離れた場所で途方もなく座り込んでいる。深淵へと傾いた私の体を、誰かが引き戻してくれる。それはとてもタイミングがいい。運良くまた此処に戻ってこれた。
暫く前の自分であれば「ああ、今日もダメだったか」そう思っていたあの頃から時間はだいぶ流れた。「また歩き出せるね」って具合に安堵の気持ちを抱くことができる。私はまだ歩き続けていたい。